黄道帯：山羊座の10～20度
　　　　12月31日～1月9日
　植物：不明
　惑星：金星
　属性：土
メタル：銅
キャンドル色：茶色／緑


10の公爵の中でも3番目に位置し、40の軍団を率いる。地獄の西の大公でもある。

魔界と人間界の中立的な存在であるが、悪魔の中でも特に強大な力を持つ。
故に召喚者はそれを受け止める器を持ち、
尚且つ強力な魔除けの指輪等、何らかの触媒を用意をしなければならない。

容姿はドラゴンに似た地獄の猛獣に跨り、毒蛇を右腕に巻き付け偉大な天使の姿で現れる。
吐き出す息は悪臭を放ち極めて有害らしい。
はたまた背の高い長い金髪を持つ美しい女性で現れることもあるという。

地獄では財務官、悪魔を統べる役割を持っているとされる。

アスタロトのルーツはとても古くから成り、
多岐に渡り説が称えられているのでややこしい。（下記参照

要約すると、
愛と美に纏わる女神がどこぞの禁欲的な宗教によって
勝手に堕とされ悪魔とされてしまった、というものである。
また、同じ72柱のバアルを妻とする解釈もあるが、これはウガリット神話によるもの。

以下、ルーツとされている女神達の説について。


　◆メソポタミア神話の女神イシュタル

　　　オリエンタル全域（主にウルク、アルベラ、ニネヴェ、バビロン、アッカド）で
　　　信仰された豊饒、戦い、性愛と美を司る女神。地域、時代によって様々な名で呼ばれている。

　　　例えば、シュメールではイナンナ、カナンではアシュタルテ、アッシリアではミリッタなど。
　　　また、古代メソポタミアの美の女神イナンナを元にしているという説もある。

　　　バビロニアでは、女性は生涯に一度イシュタルの神殿で男性に身を捧げる儀式がある。
　　　これは豊穣に纏わる神聖な儀式であったが、禁欲的なキリスト教から淫乱と見なされ、
　　　女神イシュタルは淫蕩への罰として身体を男性とする屈辱を与えられ、奈落へと落とされてしまった。
　　　故に奈落より深い悲哀、地獄の業火の如き怨念、妄執を持つ悪魔となったとされている。
　　　因みに聖書では「バビロンの大淫婦」という名が記されている。


　◆カナン神話の女神アスタルテ

　　　ビブロス、カナン、シリアで同様幅広く信仰された豊穣、戦い、愛、美の女神。
　　　また、あらゆるものの死の再生を司る。彼女もまた各地で様々に呼ばれている。
　　　後にイスラエルのヨシュア王によって宗教弾圧され、悪魔にされた。


　◆ギリシア神話の女神アフロディテ

　　　美と愛の女神。ヴィーナスは英名。
　　オリュンポス神族随一の美貌を持つが、性格は奔放で浮気性。
　　　性格は若干イシュタルと似ているがそこまで凶悪ではない。
　　　愛欲の神エロスを従えている為、
　　イシュタル同様キリストに淫蕩罪を負わされ悪魔にされた。


　◆旧約聖書のアシュトレト

　　　アシュテレトとはユダヤで呼ばれたカナン神話のアスタルトの別名。
　　　別名のアシュタロトは異教の女神を指し、普通名詞として用いられた。
　　　因みにかつてのソロモン王は妻達の勧めで崇めていたとされる。
　　　しかしユダヤ教に禁じられ、アシュトレトは後に
　　　グリモワールによりアスタロトとされるようになる。